暑い夏がやってくるとテクモゲームズの「零シリーズ」やコナミの「サイレントヒルシリーズ」などホラーゲームをプレイして涼を取る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、ホラーゲームの中でも最も怖いと恐れられているゲームがあります。
その日本一怖いホラーゲームというのがソニー・コンピューターエンターテイメントから発売されている「SIREN(サイレン)」というゲームです。
では、このサイレンというゲームはいったいどのようなゲームなのでしょうか?
「SIREN」
2003年の11月に発売されたPS2専用ソフト「SIREN(サイレン)」は昭和78年の日本を舞台とした土着性や民俗性を題材とした3Dアクションホラーゲームです。
サイレン最大の特徴はある一定の範囲に居る人物の視界を借り、その視界の人物が現在何をやっているのかを見る遠感現象の1つ「視界ジャック」というシステムです。
視界ジャックを用いることで屍人と呼ばれるモンスターたちの目を借り、彼らの手から逃れ、扉の鍵や謎を解き明かすことが出来るのです。
この視界ジャックシステムは今後のサイレンシリーズにも生かされており、サイレンシリーズ最大の魅力となっています。
サイレンに登場するキャラクターたちは個性豊かなうえ、戦闘慣れしていない一般市民です。
そのため、徘徊する屍人たちの目を盗み物陰に身を潜めながらステージを攻略するのですが、ステージをクリアするために必要となるアイテムや今後の物語展開に必要な行動もしくはアイテムを取り、フラグを立てる必要があります。
そのため、プレイヤー自身の知略と勇気が必要なゲームとなっています。
サイレンでは、他のホラーゲームと違い次のステージにアイテムを持ち越すという概念がありません。
そのため、拳銃など強力な武器を入手して次のステージのために弾丸を節約する必要はありません。
サイレンは盲目の少女「神代美耶子」を中心に物語が描かれているのですが、他にも村の修道士や医者、学生、猟師など様々な人々も登場し、彼らが織り成す物語は圧巻です。
また、本作の舞台となる羽生蛇村に登場する学校や廃鉱山、家屋などはクオリティが高くとてもPS2とは思えないグラフィックとなっています。
敵として登場する屍人たちは人間と同じように台所で料理を作っていたり、お風呂に入ったり、庭先で草むしりをするなどの行動や言葉を話します。
さらに、中には銃を使ってこちらを攻撃してくる屍人もおり、ホラーゲームで最も難易度が高いと言われています。
サイレンは1つのステージに終了条件1と2というのが存在し、キャラクターたちの繋がりをひしひしと感じさせてくれます。
やり込み要素もしっかりと用意されているため1本のソフトで長くプレイしたいという方にもお勧めです。
しかし、物語の展開や高過ぎる難易度で人を選ぶゲームとしても知られており、個人的には物語の展開や人間模様がサイレンシリーズの中で最も好きなのでお勧めしたい作品ではあるのですが、非常に高い難易度ということもあり、初心者には推奨し難い1作となっています。
しかし、魅力的な作品でもありますので、何度倒れても諦めないという強靭な精神力をお持ちの方は是非1度この絶望感を体感してみてはいかがでしょうか?
SIREN2」
2006年の2月に発売された最恐ホラーゲーム第2弾「SIREN2」は前作の雰囲気や世界観を1部分引き継いだホラーアドベンチャーゲームです。
前作では閉鎖的な村を舞台としたゲームでしたが、今作では夜見島という離島を舞台に物語が展開されます。
前作では屍人や屍人から進化した犬屍人や蜘蛛屍人などの敵キャラクターがプレイヤーを追い詰めていたのですが、今作では犬屍人や蜘蛛屍人などの屍人の進化版は一切登場せず、代わりに闇人と呼ばれる新しい敵キャラクターが屍人と共にプレイヤーに襲い掛かってきます。
新たな敵キャラクターの闇人はサイレン2の中盤から徐々に登場し、赤黒い靄のような存在の屍霊や布を体に巻き付けた闇霊、屍人よりも知能の高い闇人などが登場します。
特に闇人は見た目の可愛さ故、「やみんちゅ」や「ダークマン」というあだ名が付けられ多くのプレイヤーを癒しています。
サイレン2では前作の高過ぎた難易度設定を改善し、初心者でも安心してプレイすることが出来るようになりました。
しかし、あの高過ぎた難易度が魅力の1つでもあったため、ホラーゲーム熟練者の方々でも満足出来るようにハードモードや高難易度のボーナスステージなどもきちんと用意されており、ユーザー1人1人を大切にしてくれている気持ちが伝わってきます。
サイレン2は前作とはやや毛色の違うホラーアドベンチャーゲームとなっていますが、こちらも前作同様、緻密に作り込まれた物語や豊富なやり込み要素などで多くのホラーゲームファンを魅了しています。
個人的にはサイレン2のホラーな雰囲気や不気味さは好きなのでお勧めしたい1作です。是非今年の夏はサイレン2で涼を感じてみませんか?
「SIREN:New Translation」
2008年の7月に発売されたPS3専用ソフト「SIREN:New Translation」はサイレンシリーズ第3弾として販売されたホラーアドベンチャーゲームです。
サイレンニュートランスレーション(以下NT)は、サイレン初の異国人を起用しており、海外ユーザー向けに第1作目の「SIREN」をリメイクして発売したようなかたちとなっています。
また、寒々しい重い雰囲気や世界観で人気を博していたサイレンシリーズでしたが、今作は海外ドラマのような雰囲気を感じさせるため、今までのような恐怖感は感じられなくなってしまいました。
しかし、グラフィックや操作性はかなり向上しており、初心者でもクリア出来るようになりました。
しかし、サイレンシリーズの魅力の1つであった和風ホラー要素が皆無になり、さらにサイレン2まで続いてきたシナリオシステムも排除されてしまったため、今までサイレンシリーズをプレイしてきたユーザー方からは不満の声が挙がっています。
ですが、今までのサイレンシリーズの中で最も良心的な難易度となっていますので、サイレンシリーズに興味のあるホラー初心者の方でも安心してプレイすることが可能となっています。
サイレンシリーズは2013年に10周年を迎え、映画化や漫画化などがされています。現在サイレンシリーズの新作の情報はありませんが、いつの日かSIRENやSIREN2のようなユーザーを虜にするホラーゲームが発売される日を楽しみに今後のソニー・コンピューターエンタテイメントの発表を待ちましょう。