『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』は、2015年10月23日にPCゲームブランド「枕」より発売されたアドベンチャーゲームです。

元々は2004年にデビュー作として発売される予定でしたが、何だかんだあって10年以上掛かってしまった作品でもあります。
発売日当日に購入していたのですが、プレイ途中のゲームがあったためプレイし始めるのが遅れてしまい、本日やっと全ルートクリアすることができました。

そこで今回は、『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』の評価・感想や続編などについてまとめていこうと思います。

サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-

上述したように当初は2004年に発売される予定だったゲームでしたが、2014年にプロジェクト再始動の発表がされ、2015年10月23日にようやく発売されることとなりました。

本編の第1章部分が収録されている『サクラノ詩 ~春ノ雪~』が2008年に発売された『しゅぷれ〜むキャンディ』の予約特典として配布されていたこともあり、今年発売されるPCアドベンチャーゲームの中でも特に注目されていましたね。

 

サクラノ詩 評価・感想

ここからは多少のネタバレ有りで書いていきますので、未プレイの方は注意です。

この作品は「絵画」や「芸術」をモチーフに「幸福とは」、「何のために絵を描くのか」といったテーマについて描かれています。
シナリオに関しての完成度は非常に高い。
最近のアドベンチャーゲームは所謂キャラゲーと呼ばれるようなものが多く、シナリオが良いゲームでもその作品のテーマを描ききれていない作品が多くなっていますが、『サクラノ詩』は描かれているテーマについて綺麗に完結させています。

それだけでなく各ヒロインの個別ルートもしっかりと作られており、どのヒロインも好印象でした。

シナリオは1章・2章・3章(ここで各ヒロインとの個別END)
そして各ヒロインとのENDに到達することで過去編の4章と最終ルートである5章・6章をプレイすることができます。

共通ルートである1章・2章での伏線は3章の個別ルートや4章の過去編などで綺麗に回収され、もう一度プレイすることでさりげない日常会話の中から新たな発見ができるでしょう。

最終ルートではどのヒロインとも結ばれていない状態のシナリオとなり、「幸福とは何か」という問いに対して深く追求されています。
最終ルートこそが正規ルートと考える人も多いかもしれませんが、個人的には各ヒロインとのルートにも確かに「幸福」があり、全てのENDが同等のものだと考えています。

各END毎にエンディング曲が変わっているという点も素晴らしかったです。
曲やイラストもそれぞれのエンディングにマッチしており、エンディングが流れている時は感傷に浸ってしまいますね。

ということで個人的には今年一番のゲームだろうと思う作品ですが、もちろん悪いと思う点もありました。

まず選択肢によってシナリオに変化が無さ過ぎるために、各ヒロインとの好感度を上げているという気がしませんでした。
各ヒロインとのENDは「恋愛」という名の「幸福」として描かれているのですから多少なりともシナリオの変化が欲しかったところです。

それとシナリオ中に詩の引用や歴史に名を残す芸術家とその背景などの説明が詳しくされており、その分野に対して知識がない人でも理解できるものとなっていますが、説明が長すぎる部分も多く、芸術に対して全く興味がない人には苦痛になってしまうのではないかなと思いました。

後は最終ルートのシナリオが消化不良となっていたように感じました。
「幸福」というテーマについては綺麗に描かれていますが、シナリオに関しては中途半端な感じがあります。
後述するのですが続編も考えられているようなので、それはそれでいいかなとも思うのですが、6章で登場する新キャラ達の活躍が少なく、そこが勿体無かったですね。
最終ルートで稟が言ったセリフやもう一度注目されることとなった『櫻達の足跡』、そして新キャラのメンバーから考えても続編は出ると思います。いや出て欲しい。

これまで多くのゲームをプレイしてきましたが、その中でも自分の人生に大きく影響を与えているなあと思える作品は少ないです。
ですが、この『サクラノ詩』はそんな数少ないゲームの一つとなるでしょう。
値段以上の価値は確実にあるゲームですので、購入を検討中の方は購入してみることをオススメします。

ちなみに体験版は2GB以上のものとなっており、購入を検討している方は、そちらをプレイしてみるのが一番良いかもしれません。

サクラノ詩 攻略

このゲームは上述したように全6章のシナリオとなりますが、特に攻略など必要ないほど簡単なものとなっています。
1章・2章で登場する選択肢によってルート分岐しますが、初プレイ時は各ヒロインルートへ分岐するための選択肢が出現せず、真琴・稟ルートに対する選択肢のみが登場します。
真琴・凛ルートをクリアすることで里奈ルートへの選択肢が登場し、里奈ルートをクリアすることで雫ルートへの選択肢が登場します。
全てのルートをクリアすることで、タイトル画面にⅣ(過去編)が登場。
それをクリアすることでⅤ、Ⅵをプレイすることができます。

セーブしたほうが良い場所
真琴・凛
なんやかんや俺も感謝しているからな。(真琴ルート)
ここでやっておかないと後で何言われるかわからんからな。(凛ルート)

里奈
優美は我慢してくれている。(里奈END)
優美の気持ちを考えたら。(百合END)

 

サクラノ詩 続編

調べてみると『サクラノ刻』というタイトルで続編が制作される可能性は高いようです。
ブランド代表のすかぢ氏のツイッター上でも『サクラノ刻』のプロットを書いているというツイートがあるので間違いないでしょう。

非常に待ち遠しいですが『サクラノ詩』が発売されるまで時間が掛かり過ぎたということもあり、続編の発売も長くなるかもしれません。
しかし『サクラノ詩』の評価は高いようですので、すぐさま続編の製作に取り掛かるという可能性もあるのではと期待もしています。
個人的にはとりあえずサントラを早く発売して欲しいですね。

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以上で『サクラノ詩』の紹介を終わりたいと思います。